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IDOL TRIBUTES(Vol.46)「松尾久美子①・メモワール」

 ホワイトのパンツスーツに身を包んだ松尾久美子の姿は、他の男性アイドルらと比べても遜色なく、頭ひとつ飛び抜けている。まるで女子バレーかバスケットボールの選手のように思える。

 
 ・・・こんなに身長が高かったか?


 あらためて彼女の記憶を手繰ってみた。


 私が真っ先に思い出したのは、杉浦幸主演によるドラマ「ヤヌスの鏡」に登場する姿であったが、あくまで女優としての松尾久美子であり、アイドル歌手だったとは思えない。


 それもそのはず、歌手活動期は実質1年も無かった事にあらためて驚かされる。従って歌手としての彼女を知る人は、ある意味マニアックと言えるだろう。

 
 今回ピックアップするのは、1983年3月にリリースされたデビュー曲「メモワール」である。冒頭でホワイトのパンツスーツ云々と記したが、その際に歌っていたのも本曲だ。歌詞(出典:ジョイサウンド)に「彩りさえ失くしかけた風景も・・・」とあるが、まるでそれに合わせたかのようなモノトーンJKだ。「メモワール」だけに、想い出はモノクロ・・・なのかもしれない

Photo

                                          試聴可(MEG-CD)


 某音楽番組で彼女が歌う姿を思わず興味深く見入っていたが、若干違和感をおぼえた。というのも、振付が曲の雰囲気と明らかにミスマッチだからだ。失礼ながらまるで適当に振付をインサートさせたような感じを受ける。曲のテンポも若干速く、もしかすると音合わせの際に、彼女も感じていたのかもしれない。

 
 アイドル歌手ゆえに、直立不動で歌うわけにはいかなかったのかもしれないが、ここはカメラ目線で?瞳を潤ませながら、しっとりと歌うべきではなかったか。何も故・美空ひばりみたく、ステージ上で本気で泣く必要はないが、それくらいの気概はあってしかるべきだったろう。少なくともアイドルスマイルは不要、かつ不適なシーンである。


 その意味では、レコードやCD盤の方が感情移入しやすいかもしれない。


 ならば、「回想、記憶」を示すタイトルをどう捉えるか?

 
 ・・・例えば、こんなシチュエーションはどうだろうか。


 彼に呼び出され、2人がいつの間にか辿り着いたのは、嘗てデートで何度も立ち寄った海岸通のテラス。その先は海に通じている。今日の彼は、いつになく暗い表情だ。


 2人の思い出の地で、唐突に別れを告げられた彼女が呟いた言葉こそ「(いきなり別れてくれなんて)あんまりね。あんまりじゃない・・・」だったのだろう。オーダーしたブラックコーヒーの苦味が、今日ばかりは口いっぱいに広がる。彼女がおかれた状況から察するに、これは失恋の苦さと同じ味なのか。


 次の瞬間、彼女の脳裏には彼との想い出が走馬灯のように巡った(≒メモワール?)はずであり、想い出せば想い出すほど瞳に涙が潤んできたのではないか。そんな姿を目の当りにし、慌ててその場を取り繕おうとする彼を振りほどいた彼女が「もう!ひとりにして・・・」と強気の言葉を放つ。


 それ以上は何も言えず、その場に茫然と立ちつくす彼。


 彼女にとって、失恋の現実を受け止めてもなお、本当は彼の事しか考えられないはずなのに・・・。再び彼女の瞳が涙で溢れそうになった。

 
 既に辺りは夜の帳が降りつつあった・・・(終)。


 あくまで想像の世界ではあるが、これらから考えても、やはり切なく、悲しいラブストーリーであろう事は推測できる。たとえ失恋話であっても、忘れる事のできないほどの強烈な印象を与え、不意に何かの拍子で回想させるくらいならば、彼はともかく?彼女にとってかなり本気モードの大恋愛だったのではないか。


 あるいは数年後、別の用で偶然海岸通を訪れた際に"あの時"の出来事が鮮明に彼女の頭を過った(≒メモワール?)のか。数年後とはいえ、冷静に振り返る事ができるだけ、人間ができている証拠だろう。仮に私が彼女の身だったなら、当時の事を思い出して涙を滲ませていたに違いない。


 作詞は松本隆、作曲は吉田拓郎、アレンジは瀬尾一三の各氏と錚々たる面々だが、もっと評価されてもいいはずの曲ではある。惜しむらくは当記事前半に記したような、彼女の歌い方だったのかも・・・。歌声は決して悪くないだけに、もう少し配慮しても良かったように思う。


 尤も、本曲がデビュー曲ならば、新人らしく?色んな動きをしたくなるのも道理ではある。

 



 

 

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