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IDOL TRIBUTES(Vol.39)「左卜全とひまわりキティーズ」

 2ヶ月ほど前、偶然視聴したTV番組で子役2人と女性タレントがスキップをしながら「老人と子供のポルカ」を歌っていたのを見て、首を傾げてしまった。


  しかし、歌い出しから♪ズビズバ~ パパパヤ~、では致し方ないかcoldsweats01かく言う私も、その昔は意味も分からずに歌っていたうちの?1人である。従って、あまり偉そうな事を言える義理ではないが、誰もが口遊めてしまうのも事実だ。

 
 
 一般的には、曲中において何らかひとつのストーリー展開が広がるのだが、本曲は皆無に近い。勿論社会的背景は存在するが、核心ポイントだけに絞り、キーワードを2度繰り返しながら最小限の言葉で強調するイメージだ。キーワードは僅か3点、当時(1970年)社会問題と化していた事故、交通ゼネスト、学生運動である。それも私の記事のように長々と連ねずcoldsweats01「ジコ」「スト」「ゲバ」とカタカナ2文字表記に統一している。非常に短いフレーズなので、意味が分からなくとも印象には残りやすい。

 
 だからこそ曲の展開が速いポルカがピッタリくるのである。逆に言えば、ポルカ以外だと間延びしかねないだろう。尤も、その場合は曲調に合わせた歌詞を持ってきたり、歌詞を若干変更したり等の工夫は成されたかもしれない。


 そうなると今度は論点が霞んでしまい、正にナンセンスの極致と化しかねず、インパクトに欠けるきらいがある。ひいては大ヒットにも繋がらなかっただろうし、記憶にすら残らなかった可能性も出てくる。

Photo

 
歌詞(歌ネットより)


 今でこそせいぜい時限ストくらいしか行われないだろうが、その昔は日教組や国鉄(現:JR)や大手私鉄、バス会社のストライキが頻繁に行われていた。特に春闘や秋季確定闘争時に多かったように思う。ニュース映像でも車や人の往来がない、閑散とした都会や電車が止まったままの駅の姿をよく見かけた。当時子供の私にとっては、いわば臨時休校等でちょっと得した気分だったが、自分達の処遇改善優先で利用客の事はおざなりでいいのか、更にはストライキにより社会全体が停滞してしまうのはどうなのか、という視点に立ったのが本曲の狙いの一部だったのだろう。

 
 また事故も多かった。これも子供の頃の話だが、当時小学生(私の下級生)が下校途中、バスに乗ろうと横断歩道を走って渡ったところへ、トラックがバスの後ろから車線を越えて走って来て、死亡事故に至った事があった。それが契機となり、家の周囲に信号が続々と設置された。

 
 しかし東大安田講堂事件、三里塚(成田)闘争等の学生運動も盛んであった事を後年のニュース映像で見かけた記憶はあるが、残念ながら発生当時のリアルな記憶はあまりない(私にすれば、寧ろ連合赤軍による『あさま山荘事件』の方が記憶にある)。だからと言って偽善者を気取るつもりはないが、あれほどの行動にも拘わらず、いつの間にか収束してしまっていたのが信じられないほどである。


 とは言え、交通ゼネストも学生運動も減ったのに、事故だけは減らないのはどういうわけか。


 
 そういう社会に対する積もり積もった鬱憤を晴らすためにサラリーマンや主婦ではなく、あえて老人や子供という社会的に無力な立場を介したアプローチは、時代を踏まえても凄いの一言につきる。実際に世間の老人や子供らが社会に対して何らかの行動を起こしたのかは分からないが、本曲を口遊む事による遠回し表現?は可能だったろう。


 一生懸命頑張っているお父さんやお母さんに対しては不満も言えず、自分自身のあまりの力無さを責めた果てに辿り着いたのが神頼み、とは思わず本音がポロリ、というところか。
左卜全による冒頭とラストの「助けて~」はかなりリアル感が伝わってくるようである。

 
 子供が「やめてけれ」って、どうよ?等と細部でツッコミたくなるが、現代社会に当てはめたら、四方八方喧しすぎてポルカに纏められないだろう。12inchシングルでも厳しいだろうなcoldsweats01ギャップレス仕様で、世界最長の曲としてギネスに載ったりして・・・?


 いずれにせよ、大雑把なコミックソングに思える曲のはずが、実は時代の趨勢等も読みつつ、念入りに組み立てられた物凄い曲である事が分かる。唯一悔やまれるのは、本曲リリースの翌年(1971年)に左卜全が亡くなってしまった事か。そう考えると本曲が彼の遺言のようにも聴こえてくるようで、実に空恐ろしい。僅かな期間で一瞬にして記憶に定着させてしまうのは、表現が悪いかもしれないが、一種のサブリミナルやマインド・コントロールの効果覿面と言えなくもない。


 同時に、冒頭で私が首を傾げた理由も、それなりに理解できると思うがいかがだろうか。





 

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