« 惜夏、2010。 | トップページ | 流れ行く雲 »

IDOL TRIBUTES(Vol.20)「太田裕美・①九月の雨」

 この記事を書いている現在、窓の外は既に暗く、遠くの景色も霧に埋もれ、雨垂れがしとしと音を立てています。日中はいい天気とまでは言わなくとも、いつ雨が降り出してもおかしくないほどの雲行きでした。それが夕暮れ時になって、雨が本格的に降り出しました。少しひんやりした秋の空気感と共に、どこか物寂しく思えてきます。

 そんな時に思い出されるのが、太田裕美の「九月の雨」です。

 この曲は1977年9月1日にリリースされた9枚目のシングルで、彼女の大ヒット曲となった「木綿のハンカチーフ」、「赤いハイヒール」等に続く作品です。どちらかと言えば明るめの2作に対し、今作では暑い夏が過ぎ、気候も「幾分涼しくなった」9月に降る雨をマイナー調で表現しています。
 ただ数年前のように、温暖化の影響で10月まで暑さが続くような今の時代とは違い、当時は9月中旬ともなれば寒さすら感じかねない頃でしたので、正に9月の雨は体感的にも、また内面的にも冷たく感じられたのです。


 

 ・・・静かに降りしきる九月の雨は冷たいけれど、温もりも若干ある。
 しかし、その温もりは単に涙を隠すためのインストゥルメントに過ぎない。
 だったら失恋した私は、この先どうやって生きていけばいいの?

 フェミニズムで包みながらも、傷心状態に陥った女性が生きる希望を見出そうとする場面を視覚効果を交えながら描くところは、これぞ「松本調」の醍醐味と言えるでしょう。
 
 筒美京平氏のメロディもどこか切なげに感じます。

 ただ、当時の彼女には無理があったのか、高音域に振った筒美氏のメロディを歌番組では完全に表現し切れていなかったようです。尤も彼女自身の体調が影響していたのかもしれませんが、寧ろ年齢を重ねた現在の方が完璧に表現されているように思えます

 その意味で当時の彼女にとって、この曲はかなり難しかったのでしょう。

 しかし彼女でなければ、おそらく歌いきれない曲だったのも頷ける気がします。そこに着眼した?松本・筒美両氏・・・やっぱり凄いですよねcoldsweats01

 あなたにとって、九月の雨は冷たく感じますか?
 それとも冷たい中にも、温もりを感じますか?


 

|
|

« 惜夏、2010。 | トップページ | 流れ行く雲 »

IDOL TRIBUTES」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事

コメント

昨夜の水曜歌謡祭で、yahoo検索ワードが一瞬上位に躍り出た裕美さんですが、過去のアイドル☆パラダイスで3回くらい特集されてると思いますが、いつも曲がほとんど同じですよね。
松本・筒美組から離れた79年の「青空の翳り(かげり)」も、コンサートでの定番曲らしいので、リクエストしたんですが、確かに漢字だけだと読みにくかったかもしれません。
ところで、九月の雨の時に、裕美さんの声が苦しいのは、聖子さんが風立ちぬの時のハスキーボイスと同じ事情ですにゃ。

投稿: ギムリン | 2015年6月18日 (木) 20時45分

ギムリン様、事情を知らなかったとは言え、当方の不躾な問いかけにご回答いただき、誠にありがとうございますm(_ _)m

 確かに沢山リクエストがある中で、いきなり「翳り」と出てきたら読めない事もあると思います。これが当て字だったら尚の事です。

 
 言われてみれば、アイ☆パラSPで取り上げられるのは固定化されていますね。一世風靡したアイドルを曲を通して振り返りつつ、リスナー側の想い出や曲に纏わるエピソードを語る?意味では、固定化もやむを得ないでしょう。


 しかし、それだけで終始するのもどうなのか?という気持ちは私にもあります。


 ここは思い切って?B面ソング特集とか、LP収録曲特集を組むのも一興とは思いますが、そうなると一部のファンのみ限定に偏ってしまいかねない課題もあり、編成上難しいところなのでしょう。

 ならば「アイドル忘れない」の拡大Ver.的に展開するのも面白そうですが、前項同様に一部に偏ってしまう可能性もあります。


 まずは「季節等の定番を外す」ところから始めないといけないのかもしれませんね。と言いつつ、本記事を記したタイミングは、正に「季節や時季の定番」に則っていますけどねcoldsweats01

投稿: 傷心の少年 | 2015年6月21日 (日) 19時21分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/517634/36954625

この記事へのトラックバック一覧です: IDOL TRIBUTES(Vol.20)「太田裕美・①九月の雨」:

« 惜夏、2010。 | トップページ | 流れ行く雲 »