偉大なるフォト・ジャーナリスト、ユージン・スミス没後30年を偲ぶ
昨年までは「決定的瞬間」を捉えるフォトグラファーとして、今もその名を語り継がれる「アンリ・カルティエ・ブレッソン」に関する特集記事を掲載する雑誌(写真専門誌以外も含めて)が多かったのも皆さんの記憶に新しいところだと思います。代表作「サン=ラザール駅裏」には見る者をも圧倒させるほどの多くの要素が盛り込まれています。尤も、彼の場合は元々画家を目指していた事もあり、一分の隙もない完璧な構図を常に頭の中で描いていたそうですから、納得できますよね。
その少し前はブレッソンと共に写真家集団「マグナム」を創設した「ロバート・キャパ」。残念ながら地雷を踏んで一瞬にして命を失ってしまいましたが、日本はもとより、世界中でも彼の功績を讃えるフォトグラファーが多く存在します。問題作「崩れ落ちる兵士」は今でも論争が絶えないようですが、この作品が彼を著名にしたのは事実です。
前振りが長くなってしまいましたが、ブレッソン、キャパ、とくればもう一人忘れてはいけないフォトグラファーがいますよね。そう、「ユージン・スミス」です。彼も一時「マグナム」に所属していましたが、すぐに脱退し、独自の活動を通じて「人間の輝き」を撮り続けてきました。名作「楽園へのあゆみ」にも彼のヒューマニズムが顕著に表れています。晩年には周囲の援助を得て、熊本県水俣市に取材のため一時移住し、水俣病患者の実情を写真で訴えかけるのみならず、自らも運動に参加したのは有名な話ですよね。
しかし、第二次大戦に従軍していた時に受けた砲弾の破片と運動の際に暴行を受けた事が元で、1978年10月15日、脳溢血による意識不明のまま、59歳の生涯を終えました。
私が彼の存在を知ったのは、今から約20年ほど前、当時昵懇にしていたフォトグラファー達の話でした。皆さん口を揃えて「ブレッソンもいいが、ユージン・スミスもいいよね。」と言うのです。とりあえず写真集等を見たものの、何がどういいのか、見当すらつきません。どうしても彼の活動を記した書物を読みたくなり、『ユージン・スミス 楽園へのあゆみ(土方正志著・偕成社)』を見つけたのは、それから5年以上経過した後の事です。この本は平易な文章で彼の生涯が綴られており、ユージン・スミスという人物を全く知らない方にも分かり易い内容となっています。一部ですが彼の作品も掲載されているので、機会があれば、是非お読みいただきたい、個人的にお勧めの一冊です。
ユージン・スミスが亡くなって今年で30年を迎えたのを記念し、京都国立近代美術館で「没後30年 W.ユージン・スミスの写真展」が9月7日まで開催中、と今日の新聞で知りました。遅すぎですよね
。見慣れた作品が多いでしょうが、何とか時間を作って行きたいと思います。9日にはアイリーン美緒子夫人も来られていたようですね。残念・・・。
東京都写真美術館にも行きたいところなのですが・・・写真集で我慢しますか
。
★お詫び:若干自身の想いを加筆し、タイトルも変更しました(8月24日)。
「没後30年 W.ユージン・スミスの写真展(京都国立近代美術館公式HPより)」
http://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2008/367.html
「ユージン・スミス財団公式HP(★注意:英版です★)」
http://www.smithfund.org/aboutfund/overview
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